研Q113.Youtubeの埋込動画をブログに掲載するのは著作権侵害なのか?
敵を知り、己れを知れば、著作権なんて怖くないです。
Youtubeの埋込動画をブログに貼るのは著作権違反である という意見をたまに見かけることがありますが、本当でしょうか?
埋込動画は、まるでブログに動画を掲載しているかのように見えますが、実際にはYoutubeに登録された動画へのリンクをブログに張っているに過ぎず、ユーザーはブログを経由してYoutubeの動画を見ているのです。
埋込コードには動画のURLといくつかのオプションが書いてあるだけです。
HTMLコードは著作物ではないので、埋込コードをブログに貼ることは、著作権侵害ではありません。
Youtubeではなくて、ニコニコ動画の埋込動画についてですが、大阪地裁での判決が先日下されました。
そもそも著作権侵害事件に関しては、親告罪であることもあり、どの著作物をどのように使用したかという事例もさまざまなので、一概にいい・悪いを決めることはできず、個々の事例について裁判で争った結果じゃないと判断は決められないものなのでありますが、
日本の法律に基づいて裁判所が下したひとつの判断なので、いい・悪いを自分で判断するときの参考にはなると思います。
その事件とは、
大阪地方裁判所21民事部 平成23年(ワ)第15245号事件
であります。
ロケットニュースが、あるニコニコ動画をブログに埋込掲載したところ、著作権者が著作権を侵害されたとして(民事で)訴えた事件です。
民事訴訟法、サイバー法を専門とする法学者の町村泰貴さんがわかりやすくまとめてくださっているので、詳しくは↓こちらをご覧ください。
⇒ ニコ動を埋め込んだら著作権侵害等になる?(町村泰貴) - BLOGOS(ブロゴス)

まず一番注目される埋め込みタグを使った貼り付けが公衆送信権侵害になるかという点だが、以下のように判示して、公衆送信権侵害にならないと判断した。
via: ニコ動を埋め込んだら著作権侵害等になる?(町村泰貴) - BLOGOS(ブロゴス)
「公衆送信権侵害」という耳慣れない言葉が出てきますが、要は著作物を公共のメディアで著作権者が独占的に送信する権利のことです。
以下のように判示しての部分は孫引きになるので引用を控えますが興味がある方は町村氏のブログでお読みください。(判決文[PDF]へのリンクも掲載されています。
要するに動画をコピーして貼り付けたのとは異なり、リンクを張っただけであり、閲覧者はリンクされた再生ボタンをクリックしてニコ動サイトからの動画配信を受けたのであるから、送信も送信可能化もしたのはニコ動であってロケットニュースではないというわけである。
via: ニコ動を埋め込んだら著作権侵害等になる?(町村泰貴) - BLOGOS(ブロゴス)
さらに、埋め込んだ動画が違法コンテンツであった場合に、リンクする行為は違法行為を幇助していることにならないかというグレーな部分に関しても、
(1) 著作権者の許諾があるかどうか不明の動画にリンクを張るのは、直ちに違法になるわけではない。
via: ニコ動を埋め込んだら著作権侵害等になる?(町村泰貴) - BLOGOS(ブロゴス)
(2) 著作権者から抗議があるなどリンク先の動画が著作権侵害物だと認識し得た時点で削除すれば、過失も否定される。
つまり、アップされている動画が合法か違法かを判断することはいちユーザーとしては難しいです。合法か違法かわからないコンテンツにリンクすることが違法行為への幇助というわけではありません。
もし、リンク先が違法コンテンツであることに気づいて直ちにリンクを削除すれば、違法に気づかなかったという過失も取り消されることになります。
まあ、普通にはこんな事態になる前に(訴えられたりする前に)動画サイトにアップされていた動画が削除されて、ブログに埋め込んだ埋込動画が見られなくなっておしまい。
ということになりますけどね。
僕個人の意見として。
著作権違反をおびえたり必要以上にガードを堅めすぎずに、動画でもCCライセンスでもどんどん使って、楽しいブログを書いた方がいいと思います。そのために著作権に関する知識は十分に知っておく必要がありますね。
著作権関連の記事⇒ 著作権タグがつけられた記事一覧

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